追悼・篠原洋平さん、FORTUNE被害者は篠原さんと共にあります。

G.GATE事件の被害者の回想録

2018~2019年の中野ブロードウェイG.GATE事件の被害者の回想録です。伊藤誠の冷酷さと被害者の事件当時の苦しい心の葛藤が描かれた貴重な回想録です。

AIによる音声読み上げ版

テキスト版

■中野ブロードウェイG.GATE事件の被害者の回想録

2018 年9 月、求人サイトのマイナビで株式会社G.GATE の求人に応募したのがきっかけでした。
転職か副業を探していた当時の私は、
「海外で商品仕入れの手伝い」
「バイヤーのお仕事」
「日給2 万円から」
「月に2,3 回でOK」
「海外旅行好きのダブルワーク」
と言うインターネット上の求人広告を見つけて、本業の合間に旅行もできる良い副業かも知れないと思い、株式会社G.GATE の求人に応募しました。
当時の私は非正規雇用で仕事を続け、体力的な衰えや怪我、また職場の就労条件も悪化する中で、貯金も少なく漠然とした先行きの不安を感じるような生活状況でした。

JR 中野駅から徒歩数分にある中野ブロードウェイの地下1 階、株式会社G.GATEの時計販売店舗内に面接を受けに行きました。
バイヤーの応募面接はたいへん盛況で、かなりの人数が集まっていました。数人を同時にグループ面接して、仕事の概要をその場で説明されました。確認されたのはパスポートの所持、海外渡航経験、クレジットカードの所有枚数と利用限度額を記入させられました。私は全てに当てに良く当てはまり、クレジットカードも既に何枚も所有、更に趣味として時計や海外旅行に関心も持っていました。
求人の仕事内容は、
・シンガポールや香港に行ってロレックスの時計を自分のクレジットカードで買い付けること。
・航空券と現地の滞在費は株式会社G.GATE 側が経費として負担する。
・購入するロレックスの時計は現地のG.GATE スタッフが事前に手配しており、時計購入後はそのスタッフがその時計を預かるため、帰国の際に通関手続き等の心配もない。
・バイヤーは自分たちが購入、買い付けした際の時計の写真とクレジットカードの購入控えを保存すること。
・バイヤーと株式会社G.GATE は専属の売買契約を結び、バイヤーが買い付けた時計は全てG.GATE が買い取りを約束する
と説明を受けました。
また、クレジットカードの請求代金は、後日に請求が届いた際に株式会社G.GATE の経理(成澤)宛てにメールで請求すれば、購入金額の総額に対して6%が報酬として上乗せされて精算されると説明されました。
その場の雰囲気とその内容からして若干怪しいかとも思いましたが、そのとき面接に来ていた他の時計バイヤー応募者たちは、買い付けに行くスケジュールをその場で割り振りして既に決めていました。また、その側で、海外の買い付けから帰って来たバイヤーたちがクレジットカードの請求金額を精算して、手数料の6%を含めた多額の精算額を現金で受け取っているのも直接目にしました。自分も一回やってみようかと思い、その場で私もシンガポールに行くスケジュールを割り振りして決めました。

2018 年10 月に初めてG.GATE のバイヤーとしてシンガポールに行きました。事前に航空券とホテルの手配を受け、羽田空港で初対面の他のバイヤー4 名と合流し、自分を含め5 名でシンガポールへ向かいました。説明を受けていた通りシンガポールでG.GATE の現地スタッフ男性 1名が加わり、翌日からロレックスの店舗をいくつか回り時計の買い付けを行いました。私が購入した時計数本も購入後は現地スタッフに預け、シンガポールに2 泊してから帰国しました。翌月になってクレジットカードの請求をG.GATE の経理宛てにメールで申請し、手数料の6%含めて精算されました。それ以降はクレジットカードの精算が済み次第で、毎月2 回ほどのペースで香港に買い付けに行くようになり、その都度G.GATE からの精算は問題なく行われていました。

しかし、年明けの2019 年1 月になって、中野ブロードウェイ内のG.GATE 店舗が急に閉鎖されました。G.GATE のスタッフが時計を持って帰国した際に、空港の税関で問題があり、G.GATE 店舗に東京税関の立ち入り検査が入ったと、他のバイヤーから聞きました。また、この頃からG.GATE から精算が済まされていないとG.GATE 被害者のバイヤーが閉鎖したG.GATE を探し始めて、代表者である伊藤誠への誹謗中傷がLINE に流れたり、怪しい噂話を耳にし始めました。G.GATE 側からは、「時計を横領したグループからの嫌がらせが横行している」と説明を受けました。この時点では私も半信半疑で、どちらの言い分が正しいのか判断しかねていました。私自身への精算は済まされていた事もあり、当時の私はこのトラブルにはあまり関わらず距離を置おうと考えていました。当時のG.GATE に対しては、高級時計の仕入れ、卸売り及び店舗販売を行う通常の時計店という認識で、発注元の株式会社G.GATE から「また買い付けよろしくお願いします」と仕事の依頼を受ければ、採用され仕事を受ける側のバイヤーの自分としては「承りました、ありがとうございます。」と、引き受けて指定された日時場所にまた買い付けに行くという流れでした。
その後の株式会社G.GATE は、近所のサンプラザ中野ビル内にあったレンタルオフィスに店舗を移して営業し、私は買い付けの依頼を受けていました。少々の疑いや迷いはありましたが、新しい事務所ではまた同様にG.GATE の同じスタッフが変わりなく対応を続けており、他のバイヤーもその事務所を訪れて精算を受けていたので、引き続き香港へ買い付けに行きました。

しかし、2019 年3 月頃になると、所有していたクレジットカードの中で15 日締め日の 3枚、200 万円ほどの使用残高の精算に対してしばらく待って欲しいと、G.GATE の代表者である伊藤誠から要望があり、横領などによって一時的な資金不足にあると説明されました。
実際にこの頃はG.GATE の販売店舗スタッフで、バイヤーの応募面接も担当していた男性幹部2 人(坂梨、坂本)が突然辞めて、新たに別の女性スタッフが加わる動きもありました。被害に遭っていたバイヤーは、管轄警察や東京税関に被害を届け出ていて、常に周辺で騒ぎが続いていました。
滞納状態になっていた3 枚のクレジットカードの精算にはなかなか応じてもらえず、折を見て伊藤に直接打診しましたが、その度にのらりくらりと言い訳を重ね、その一部は精算に応じてもらえましたが、翌月にはまた同様に滞納が重なり続いてゆき、また時計の買い付けも引き続き行う悪循環に至っていました。同時にこの頃から伊藤誠にまつわるいろいろな噂を耳にするようになり、買い付けを止めていつどうやってG.GATEから抜け出そうかと、考え始めていました。しかしながら、時計の買い付けに使用していた各社のクレジットカードが10 数枚、それぞれの締め日が月初め4 日、中頃15 日、月末27 日と毎月3 回に分かれており、既に滞納が続いていた3 枚の遅延した支払いと他の全てのカードの精算が完了するタイミングが無いまま、再び香港へ買い付けが繰り返されるだけでした。

2019年 4 月頃になると伊藤誠は車で移動しながら通話で指示を出すようになり、現金の受け渡しに渋谷や新宿の指定場所で会う以外は中野や事務所に現れなくなりました。この当時の私の状況は、毎月3 度やって来るカードの支払いの精算を伊藤からなんとか受け取るのみで、自分の収入に当たるものは何もありませんでした。カードの請求金額をカード会社指定の口座に伊藤が振り込みむと、またすぐ香港への買い付けを言い渡されるようになり、もし私がこれを拒めばカード会社への支払いは止まり、その時点で私がその負債を全て負うことは自明でした。この様な状態のまま更に数ヶ月経過した2019 年7 月、滞納状態にあった3 枚はカード会員取り消し処分となり、私の債務となりました。

2019年 7 月末頃になって、伊藤誠が東京税関から依頼を受けた千葉県警によってJR 品川駅高輪口付近で逮捕されたと他のバイヤーから聞きました。しかしその後不起訴処分となり、8 月になって釈放されました。この後、伊藤誠本人と一度会い、逮捕の件について釈明を受けましたが、逮捕された経緯と自己弁明に終始し、私に対する精算については何もありませんでした。またこれ以降、私の残った全てのクレジットカードへの精算も止まり、伊藤誠との連絡も途絶えました。これによりG.GATE の買い付けに使ったクレジットカードの使用額全ては私の個人の負債となりました。
この当時、伊藤誠に対する怒りや先行きへの不安、バイヤー同士の不信感も漂う中で不確かな情報や噂が飛び交い騒然とする状況の中で、同様にG.GATE の被害に遭った他のバイヤーたちは、自己破産や債務整理を進める人、警察や東京税関に問い合わせる人、また伊藤誠本人を自力で追い立てて直接取り立てを行っている人もいました。株式会社G.GATE と伊藤誠については、高級時計ロレックスを使ったポンジスキーム詐欺であり、海外でバイヤーに買い付け仕入れさせた時計を国内に不正に持ち込み、消費税の不正還付を目的に転用して利益を得ていたと言う話を聞きました。

2019 年9 月以降、カード会社から私へ残された負債はそれぞれのカード会社と相談の上で私が分割払いを続けることにしました。その中で既にカード取り消し処分となっていた数枚は、カード会社に指定を受けた債権代行会社や法律事務所とのやり取りに移行し、それぞれ毎月決められた額を振り込んで支払いを続けていました。当時まだ請求が確定しておらず、その後に引き落しされる予定であったカードは当時同じくG.GATE の被害に遭ったバイヤーの方から100 万円を借金して足らない分はまだ残っていたカードの使用枠で購入した時計を売買し、合算してその月の支払いに充てました。これ以降カードの引き落としがある度に借金と返済、時計の購入と売買を毎月繰り返してその月の支払いに充てていましたが、その度に資金が目減りしてゆきました。バイヤーの方から弁護士を紹介され相談もしましたが、当時は債務整理、自己破産を避けて伊藤誠に対する返済請求を軸に話を進めており、伊藤誠本人からの精算を諦めていませんでした。

2020 年1 月、楽天カードの精算に当時の全額を振り込んだ際に即カード会員取り消し処分となり、手持ちの資金もほぼ無くなりました。先に破産手続きを進めていたG.GATE 被害者の方と相談の上、2 月に破産の手続きを進めるに至りました。

■G.GATE事件の詐欺の手口
1. アルバイトついでに海外旅行がタダでできるという話で、時計の買い付けをするバイヤーを求人誌で募る。
2. 旅費と滞在費は株式会社G.GATE が負担の上で海外旅行に行かせ、高級腕時計のロレックスをバイヤーのクレジットカードで購入させる。
3. 購入された時計をG.GATE のスタッフが現地で受け取った上で、買い付けした金額に手数料6%を上乗せしてバイヤーに後日清算する。
4. 数回はこの買い付けを続けさせて信用を得てから、口コミ紹介で更に新規バイヤーを増やす。
5. その後いつも通りにバイヤーに買い付けに行かせるも、時計の持ち逃げや横領の被害に遭ったと吹聴し、バイヤーへの精算を止めるか現金が不足していると説明し、G.GATE からの支払いが順次遅れ始める。
6. 精算を求めてバイヤーがG.GATE 店舗に現れると、奴らは時計の持ち逃げや横領のグルであると弾弓し、支払いを拒み出しバイヤーとの連絡を断ってゆく。
7. 新しいバイヤーには買い付けと精算を続け、その知り合いを新規のバイヤーとして更に紹介、リクルートさせる。
8. 被害にあったバイヤーのグループが騒ぎ始め、警察に被害を届け出すも受理はされない、ことは織り込み済み。残りのバイヤーも前回買い付け分のカード精算が残っているので、表立ってG.GATE を非難することもできず、半信半疑の状態が続きながら引き続き買い付けに行かされる。
9. 後に自分も何らかの因縁やトラブルを押し付けられ、支払いを拒まれ連絡を断たれ、結局は自分も被害者の1 人となる。